年末が近づいてきたのある日のことだった。
バイト先の店長から電話が来た。


就活でもう辞めたのに…何の用だろ……


「安達さん 年末予定入ってるか?」

「え?いえ 別に全然・・・・・・」

「悪いんだけどさ臨時でバイトしてくれないか?
大ピンチなんだよ」


聞けば 小生意気な女上司に爆発した
パートのおばちゃんたちが 大量に辞めてしまって
この忙しい時に猫の手も借りないと
やっていけないと私に電話が来たってわけで


この店長は
私がレジを希望したのに

「惣菜だったらどう?」って言うから
それでなくても バイトさえ断れ続けてて
親からも プレッシャーかけられていたから
家からも近所だったから


「はい」って言って

白衣の惣菜ユニフォームに着替えて おばちゃんたちに
交じって 揚げ物あげたり 海苔巻き巻いたり


まわりの女子大生がオシャレなバイトをしてるのに
私は………油臭くなった帰り道

何でこんなことしてんだろってよく
思ったものだった。