泣く泣く子犬を置いて 何度も何度も引き返しては
頭を撫ぜて その繰り返し


だけどとうとう暗さの心細さに負けて
家に向かって歩き出す。


ごめんね ごめんね
明日朝 また来るからね・・・・・



次の朝 食パンを握り締めて公園に行くと
子犬は段ボールを残したままいなくなっていた。


誰か連れて行ってくれたのかな・・・・
だったらいいんだけど


私はその辺を歩きまわったけど 子犬はいなかった。


学校に行っても 子犬のことが頭から離れなかった。
だけど 後から登校してきた子たちが


「犬 ひかれてたよな 可哀そうだったね」

そう話しているのを聞いた。
公園のところを通ってくる子たちだったから



背筋が凍った・・・・・・。



まさかあの子・・・・・・


詳しく尋ねることもできず 私は深く傷ついていた。

あの子殺しちゃった・・・・・・・
今でもあの時のことを思い出すと胸が締め付けられて
悲しくなってしまうのだった・・・・。