とても新鮮で真新しいものへと
姿を変えていく。







羽衣を落とし、ゆっくりと
舞いながら歌を紡ぐ。






一夜の夢。

現世の夢。





プラチナの髪が柔らかに
たなびくたびに歓声が沸きあがる。





ボクが瞳を伏せると
悲鳴にも似た歓声が会場内に響き渡る。










ステージから、
何度も何度も咲を捉える。







時に歌い奏で、
時に歌い舞い踊りながら。









君、想ふ……

現世の仮初の世


夢、儚きて

永久【とわ】の契り……









ステージが
終焉に近づいていく。






桜の木が満開に咲き乱れ、
桜吹雪が舞い落ちる。





会場内全体が桜吹雪の
イリュージョンに包まれて
ボクはゆっくりと暗転の中、姿を消す。





暗転の中、会場内には鼓の音色だけが
静かに……鳴り響いていた……。








大歓声が湧き上がる。





ボクは軽く水分を補給すると
メイクを整えて衣装を早替えすると
アンコールへと向かう。




ステージ中央には、
ボクの相棒が調弦を変えて存在している。



ステージに再度、ライトが照らされる。