菜々子は一転して不快感をあらわにした。 抵抗を腕に込めると、すでにイライラした様子の窪川のこめかみに血管が浮き上がった。 「なにすんのよ」 「いいから黙ってついて来い、ブス!」 そう言うとあとは有無も言わさぬ勢いで、窪川は東たちのいるドアから離れたドアへと菜々子を引きずって行った。 「い――たいわね。なにすんのよ! 離してよ恥ずかしい!」 立ち止まっても窪川は一向に菜々子の手を放そうとはしない。 それどころか、声を殺して訴える菜々子の懇願もまるで無視。 なんだこの自分勝手やろう!