胸が苦しくなる。

翠は何も知らないで、この約二年私と一緒にいたんだろうな。


ねぇ。

なんでほんとのこと言わないの?

私は。


翠にも。

律にも。


傷つけたくなかった?


今更おそいのに?


もう、傷ついてるかもしれないのに?







「ほら、落ち着くまでここに座ってな」


「……うん」


翠に促されて保健室のベッドに座る。

先生はいなかった。

私の鼻をすする音だけ。