そんな様子を見ていた なずなの友達が、

『ちょっと、いーの!?
せっかく、うまくいってたのに!』

と、なずなに声をかける。

『えっ?
私、悠樹には、きっぱりフラれてるよ?』

なずなは、告白した日を思い返す…




悠樹に抱き寄せられて…

胸がキュンと高鳴る なずな。
思わず、悠樹の答えに期待が膨らむ。

だが、悠樹の口から出た言葉は、

『ごめん、なずな…

ほんとにごめん…』

胸に刺さる、その言葉に…
悠樹の想いを痛感する なずな。

なずなは悠樹から、ゆっくり離れて、

『…バカじゃないの?』
と、呟く。

『うん…

何度も、前に進もうと思ったんだ。

なずなの気持ち聞いて、
一瞬、前向きに考えようかとも…

でもダメなんだ…
どーしてもダメなんだ!』


少しの沈黙のあと、

『わかった…

じゃあ、ゴハンおごって』

『えっ?』

『すごーく傷ついたんだから!
1回くらい、ゴハン連れてってよ』

突然の切り返しに、
キョトンとする悠樹だったが、

なずなの健気な優しさに、
『…うん』
と、微笑んだ。




『ゴハン…
もぉ、いーや…』
と、呟く なずな。

『え?なに?』

『なんでもないー。

悠樹の心には、入り込む隙なんて、
カケラもないみたいだから…

おじゃま虫は退散かな…』