門の外で待っていると、
(…あ、悠樹!)

駆け寄ろうとした時、隣になずなの姿が見えた。

楽しそうに話している二人を見て、慌てて立ち去ろうとすると、

『まりか!?』
気づいた悠樹が、駆け寄ってきた。

『なんでここに!?
なんかあったのか!?』

『…なんでもない』
と、目を伏せる まりか。

そんな まりかの様子に、
『…どした?』
と、顔を覗きこむ悠樹。

『ホントに…
ただ通りかかっただけだから…』
と、顔を背ける まりか。

『…そっか。

まりか、ちょっと待ってて』

そう言って、悠樹は なずなの元に戻ると、

『悪いけど、なずな…』

『ほんっと、バカじゃないの?』

『うん…』

(バカだけど…
バカでいーよ、俺…)

切なげに微笑んで、再び まりかに駆け寄った。

『まりか、場所変えよっか!』

『え…?

なんで…』

『まりかと話したいから!』
と、無邪気な笑顔を向ける。

『でも、なずなちゃん…』



『こっちのが大事』



そう言って、手を引く悠樹に、
苦しいほど胸が締め付けられる まりか。