俺は急いで支度をし玄関に向かうと腕組みをして見るからに怒っているのがわかる一葉が待っていた

「遅い!早く靴履いて!」

メンゴメンゴーと軽く謝りつつ履き慣れているシューズを手に取る

先に行っても構わないのになあとか考えつつ、それでも待っていてくれた事にありがたみを感じ靴を履き終わりスクッと立つと軽く睨んでくる一葉の頭を優しく撫でた

ほら、お母さんが『お前は頑張りやさんだねぇ、すまないねぇ』みたいな感じで頭撫でるじゃん?そんな感じで

スッと手を降ろすと少しばかり頬が赤らんでいる一葉が「さっさと行くよ」と吐き捨て勢い良く走って行った

........

あれー?

俺置いていかれた?

あれぇ?

嘘でしょ?



その日の一葉の足はめちゃくちゃ速かった






一葉に置いて行かれ結局1人で登校する羽目になりいつも通りの足取りで歩き近くの信号で青になるのを待っていると後ろから何か柔らかい物がぶつかってきた

振り返ってみるとそこにあったものはでっかいぬいぐるみの熊さんでした


....え?熊さん?

あれ?生きてる?

あ!あれか!俺超純粋ふわふわ天使だから熊さんのぬいぐるみが生きてるように見えるのか!そうかそうか!

と、勝手に納得していたらぬいぐるみの持ち主の頭がひょっこり覗いているのが見えた。デスヨネー

しかもこやつ、見覚えあるぞ

「.....冬馬。.....おはよ。」


こいつは幼馴染みの1人、楠 凜(くすのき りん)でございました