4月―――.....
新しい学校、
新しい制服、
新しい友達、
新しいクラス!
いろんな“新しい”で、わたしは興奮していた。
新しいクラスへ行くと、座席表が前に貼ってあった。
「えーと...わたし、1番前の席か」
ちなみに隣の人は?
....“都田慶人”。
「ほおぉ、なんかいい感じの名前!仲良くなれそうだなー」
わたしは浮かれ気分で1番前の席に座った。
「....おい、そこ俺の席なんだけど。」
いきなり上から聞こえてきた声にびっくりする。
うわ、イケメン...ってこの人が“都田慶人”?
...てゆーかあからさまに不機嫌すぎじゃない!?
「あ、え、えっと...ごめn「さっさとどいて、邪魔」
え、なにこの性格の悪さ。
傍若無人にも程がありませんか?
でもそこは押さえて押さえて...
「ごめんなさい、えっと...都田くん?だよね?
これから隣同士としてよろしく!」
営業スマイルでにっこりと。
「......うわ、なにお前。ドMなわけ?
きもっ」
ん゛?
最後....きもって言った?
「それに何?お前、俺の隣なの?
うっわー、高校入って
初めての隣の奴がお前かよ。
まじありえないんですけど?
あと都田くんって勝手に名前呼ぶなよ、
きもいし吐き気するわ」
「!?!?」
な、なんで初めて会う人にこんなこと言われなきゃいけないの!?
「...っ」
言い返してやりたいけど...
ここで言い返したらまた中学の頃みたいになっちゃう...
「...で、ですよねー。あはは、
勝手に名前呼んじゃってごめんなさいっ」
ギロッ
うわっ、睨んできたっ
もー、高校初日にこんな人と隣なんてホント最悪...
トントン
「あーもーほんと嫌だー...あぁぁ...」
とかボソボソ呟いていると、不意に肩を叩かれた。
「あ、あのぉ...」
そういって少し遠慮気味に話しかけてきたのは
目がくりくりでハニーブラウンの髪色をした美少女だった。
「あのぉ...ここ、わたしの席なんですが...」
「へ!?」
まさか席間違えた!?
「えっと...篠月凪沙さん...ですよね?
この座席表、すごい見にくいから、
多分1番うしろの席と私の席間違えたんだと思います...」
確認のためによくよーく座席表を見ると、
下の方に
※座席表の1番上がうしろ、1番下が前となります。
と書いてあった。
「うわああ!ご、ごめんなさいっ!
普通に間違えてて...」
すると、その美少女は
「いえ、ぜんぜん大丈夫ですよ」
と言ってにっこり微笑んだ。
うん、この子間違いなく天使。