「それで、その心の準備やらはできたってことかな?」

「…友人と義姉の力添えがありましたので」


さぞ、どんな力添えだったか気になっているその様子を隠さない大志さんは。
こうして接してみると、結構人間味のあふれる人柄だということが分かった。

お店までの歩調を合わせてくれるところから始まり、店内へのエスコートの仕方、料理を注文するときの絶妙なタイミングなどは、紳士的で初対面の印象そのものなのだけれど。
たまに肩肘をついたり、大きく笑ったり。
ウエイターさんを捕まえて、君のおすすめ持ってきて、なんていうおちゃめな場の雰囲気作りは時折あどけなさを感じさせた。

やっぱり、会って話してみなきゃわからないこともたくさんある。
こうしたその都度感じられる心地の良いギャップに、気付けるチャンスなのだから。