『素直にならなきゃ、何も始まらないもの』


楽しかった時間はあっという間。
三人でケーキを食べ終え、愛子がお気に入りのソファーでうとうとし始めたところだった。

愛子を連れて帰る間際にもらったその言葉は。
またあの大志さんと同じほほ笑みとともに、告げられた。


パタン、と玄関のドアが閉まったとき。

その言葉でふと、思ったのだ。


満さんとの関わりががまたできてしまう可能性があったとしても。
まだ自分のこの気持ちが恋なのか、分からない状態だとしても。

いつまでも悩んでいても仕方ない。

一歩、進んでみることが、大事なんじゃないかって。