「…あき。明季、か」


大志さんは二度私の名前を呟いて、お決まりのようににこりとほほ笑むと。


「明季ちゃん。言葉の響きが、君にぴったりだね」


真っ直ぐな瞳はなお私を見つめ、照れる様子もなくそう告げた。
私も彼の名前について同じように思っていたところだったから驚く。


「私も、同じこと思ってました。大志さんってぴったりな響きだなぁって」

「そう?息子が生まれたらどうしてもつけたかった名前なんだって」

「ふふっ。志しのある立派な人に、っていう願いですかね」

「んー…。まだまだ、名前負けだけどね」


褒められ慣れていないのか、少し恥ずかしそうに言葉を詰まらせる。