真さんはすでに店じまいに手を付けているようで、お会計の処理をし始めている。


「今日は暇だったな。食材も少し余ってるし、明季の好きな食べ物作ってやるよ」

「ほんと!オムライスがいい!」

「相変わらずお子様舌だなあ。見かけに似合わず」


くくく、と真さんは意地悪な笑みを惜しげもなく披露して、電卓片手に紙幣を数えていた。

すっかり気を許している私の前だと、からかい体質の彼がたまに顔を出す。
あの美弥も褒めていた接客はどこにいったんだか。まあ、並み以上に顔がいいっていうのも、彼の評価をあげる一役をかっているのかもしれないけれど。