だけど前職のときも私を“内側以上”にすることは一切なかったし、それを感じさせることもなかった。
あくまでも上司と部下。社員と非正規社員。

その延長線上には男と女のカテゴリーはなかったはずだったのだ。


でも。
今日一瞬垣間見たあの表情は、完全にマスターと従業員の線引きなんか存在していなくて。
大志さんのときに感じたハンターのまなざしを、そっくりそのまま真さんにも感じてしまったのである。

真さんは最後の一コマで、うまく隠したと思っているかもしれないけれど、女は意外にも男のオスの部分には敏感なのかもしれない。