朝起きたらテーブルの上に、俺が昨日貸した着替えの服がきれいに畳んで置いてあった。
俺が貸したんだから返されてるのは当たり前といえば当たり前だ。
だが、アイツは俺の家に着たとき裸だった。
そう。
俺の服を返した鈴は、当然着て帰る服がない。
まさか裸では帰らないだろうし。
さらにもうひとつ。
俺が家を出るとき、ちゃんと玄関には鍵がかかっていた。
先に起きて帰ったのなら、鍵がかかっているはずがないんだ。
もちろん鈴が俺の鍵を持っているわけがない。
しかも、部屋がマンションの12階にあるため窓からはどうあがいても出られない。
彼女が道に裸で寝ていた理由も、朝のことも、考えれば考えるほど鈴の謎は深まるばかりだ。