翌朝。 鈴をベッドに寝かせたためソファーで寝た俺が起きると、昨夜はベッドでぐっすり寝ていたはずの鈴がいなかった。 他の部屋に居るのかと思って家中を探すが、鈴の姿はどこにも見当たらない。 「帰ったか……」 結局、関係を繋いでおきたいと引き留めたのにも関わらず、鈴とはなにもなかった。 鈴の連絡先も、住んでいる場所も知らないから連絡を取ることも出来ない。 ―――残ったのは、昨夜生まれた、俺の鈴への密かな想いだけ。