…言わせない。
ようやく手に入れたこの関係を壊すような言葉なら、そんなものは全部、お前から奪ってやる。
「ちょっ、…いきなり…?」
無造作にエリカのコートを脱が始めた俺の腕を、服の上から縋りつくように小さな手が握りしめていた。
何があったと問い詰めて無理やり答えさせたところで、積もりに積もった俺の猜疑心が晴れるわけでもない。
「どれだけ溜まってると思う」
「……そんなのっ…!」
ベッドに押し倒しながらそう言い捨てれば、頬の色はあっという間に赤く変わっていた。
「私が…知るわけないでしょ」
「ああ。だったら、思い知ればいい」
俺に黙って隠し事すれば、こうやって酷い目に遭うってこと。
「…ひっ、…やぁっ…」
うつ伏せになったエリカの背中を撫でながら、邪魔な服と下着を取り払っていく。
傷ひとつ見当たらないまっさらな背中には、俺の跡がもう、一つも残されていなかった。
それどころか、身体中くまなく探しても、新しい印が刻まれた痕跡はどこにも見当たらない。
「確かめるまでもないか」
「……何を……?」
俺みたいに、堂々とつける方がおかしい。
エリカのに触れた奴が、俺以外に存在するのか。
…手っ取り早く、身体に聞いた方が早いと思った。