「…翔太」
俺の名前を口にした結城が、なぜか嬉しそうにはにかんだ。
たったそれだけのことで沈みきっていた心が浮上してくるなんて、もう重症かもしれない。
「…きゃっ…!」
わざと乱暴にバスローブを剥ぎ取って、結城の細い手首を掴んだままシーツに縫い付ける。
優しくなんて出来そうもない。
本来なら充分慣らすべき場所に、性急に指を滑り込ませる。
無理やり快感を引き出された結城は、苦しそうに身を捩りながら息を荒く喘いでいた。
「や…っ、しょう…た」
結城の心を占める存在に嫉妬して、俺は夢中で結城を貪った。
身体だけでも手に入れないと気が済まない。
この腕の中にいる時だけは、結城の頭の中を俺のことでいっぱいにしたい。
「なんで、こんなカッコ…やだ…」
膝の裏に手を伸ばして、そのまま大きく足を開かせる。
恥じるところなんて一つもない、いつまでも見ていたいくらい…綺麗な身体だ。
そんなセリフを真顔で言ってしまいそうになって、慌てて口を引き結ぶ。
「…寝てる間俺に襲われなかっただけでも、マシだと思え」
鮮烈な記憶を、結城に残したい一心で。
その時口から出たのは、我ながら最低のセリフだった。