薄暗い室内のベッドの上に、横になった二人の姿がぼんやりと浮かんで見える。
暗闇に目が慣れてくると、俺は足音を立てないようにベッドのそばに近づいた。
「…寝た?」
俺の気配に気づいたのか、エリカは薄目を開けてこちらを見る。
エリカが頷いたのを確認すると、俺はすやすや眠る寧々の枕元にそっとプレゼントを置いた。
「……」
じっと俺のことを見つめていたエリカの手を引き、ベッドから起き上がらせる。
手を繋いだ瞬間エリカはビクッと肩を揺らしたが、振り払われなかったのでそのままリビングまで誘導した。
「寧々、明日どんな反応するだろうな。あー、すげー見たい!このまま泊まってダメ?」
「…バカじゃないの」
半分冗談で言ったら、エリカは明らかに不機嫌な顔を浮かべて、俺の手をぱっと離してしまう。
「…なんか、さっきから俺に対してやけに辛辣だな。店出る前は、普通だっただろ」
「思い当たることないの?」
「お前の考えてることは、さっぱりだな」
捕まえたと思っても、俺の腕を簡単にすり抜けていくエリカ。
「……最低ね」
「エリカ」
俺はエリカと、これからもずっと一緒にいられたら…それでいい。