あいつ、『リユ』はよく笑って、よく泣いて、だけどそれが似合うタレ目の甘い顔をしていた。
「笑顔が可愛い」と言ったら、
「笑顔が可愛いくないヒトなんていないよ」と少しひねくれる女で、
「じゃあおまえの笑顔が好き」と言えば、
「馬鹿じゃない」とはにかんだ。
素直じゃなくて、天の邪鬼。
寒がりで、いつも丸くなって眠りにつく。
いつだって一番じゃないと嫌な癖に、それを隠すのが上手くて。
褒められるのに慣れてないから、社交的なのに人見知りで、群れるのが苦手。
自由奔放なのに、どこか寂しがりやな猫みたいなリユに俺はすぐに惹かれて、誰の物になる気もないリユに俺は、
カタチのない空虚な関係を迷わず選んだ。