正直、似合わないと感じていた違和感は、啓吾さんのストレートな感情にあっさり纏われる。
クールだと思った蒼さんの表情は、女らしくて、綺麗だった。
「…惜しいっすね」
小さな呟きは先ほどまでの高揚したテンションではない。
確かに、
抱き合う二人を見て、息を呑むくらい感動したのは本当。
蒼さんの意外な一面が見られたのも、今となれば惜しい。
「蒼ちゃんは魅力的だからね」
マスターがニコニコしながら言った。
やっぱりこの人の真意は計り知れないけれど、
…明日は二人で来るかな?
からかったりしたら蒼さんに殴られそうだけど、冷やかす位は多目に見てもらおう。
Fin