「……ねぇ彼方」
「ん?」
「彼方ホントは、私のこと迷惑に思ってるんでしょ?」
「えっ?」
唐突な私の言葉に、意味がわからないという顔をする彼方。
でも私は、そのまま続けた。
「だって、来なくていいなんて言うのは私のせいでしょ?
私のせいで、彼方が事故にあったから怒ってるんだよね?」
「ちょ、ちょっと待って未歩」
彼方は私の言葉を遮った。
どこか真剣な表情に、胸がキツく締め付けられる。
「俺、そんなこと思ってないよ。
言ったよね?自分のしたことに後悔してないって」
聞いたよ。
ちゃんと聞いてた。
その優しさに救われたし、彼方は私たちのヒーローだって思った。
でも……。
「じゃあなんで、私のこと遠ざけようとするの?」
私だけじゃない。
航にも、来なくていいなんて言ったりしたの?
「それは……」
彼方は口ごもった。
ほら、やっぱり言えないんじゃん。
私はいじけてうつむく。