「5万でどう?」


そう言って近づいてくるスーツを着た30代半ばの男。


「あたしとヤりたいの?」


表情を一切変えず、淡々と言葉を返すあたし。


男はその言葉を聞くと、ニヤリと口の隅を上げあぁと言う。


「だったらいいよ」


あたしはそれだけ言うと、男より先に歩き出す。


男はラッキーとでも言うように、あたしの腰に腕を回してきた。