彼は、時計を見ると頷いた。


キャンプだなと小さな声で呟いた。


席を立つと彼は、僕に背を向けて片手を上げた。


「キャンプだな。今度は川ごときにビビらんぞ。じゃあな。」



彼は、バーテンに財布から無造作に万札を数枚出すと置いてドアを出る前にもう一度キャンプだなと言った。


僕は頷いた。


我々は若かったのだ。


今でも若いとは言わないが。


彼は、組の為に罪をおかして服役する今回は出てこれないだろうと言われていた。


僕はバーテンにウォッカをそのままくれと言うとキャンプだよと呟いた。



彼の為に泣く事は、許されない気がした。


僕は、キャンプだよともう一度呟いた。











おわり