下駄箱で靴をはきかえ階段をのぼり、教室へと向かう。


俺たち三人は同じクラスだ。


教室に向かってる最中にも、祐樹と由紀は何人ともあいさつを交わす。


俺は当然誰ともあいさつしていない。


というか、誰にもあいさつされない。


皆俺のことなんか見えてないかのように、一人また一人と俺の横を通り過ぎていく。


これはなんの拷問だろうか。


俺はもう逃げ出したい一心だった。


でもそのとき、由紀に手を掴まれた。


はぁ。


これはもう観念するしかないようだ。


廊下に朝のホームルームの時間を知らせるチャイムが鳴った。


それを聞いた生徒たちが、それぞれ自分の席に座るためにそそくさと教室の中へと入っていく。


俺たち３人も急いで教室の中へ入っていった。


だが、そこで俺は立ちすくんだ。


いや・・・立ち尽くすしかなかった。


俺の座る席がないのだ。