キミが手を伸ばすから




「ブス」



「地味子は地味子らしく、隅っこで座ってろよ」



「邪魔なんだよ、消えろ」



毎回転校先で



呼び出されたかと思うと



ブスだの地味だの言われる暴言。



酷い時には



手をあげられる。






自分がブスなんて知っているし



地味で可愛くないことくらい分かっているつもり。



なのに、今日も呼び出しされて…



この学校に来て今日で3日目なのに



呼び出しも3回目。



クラスメイト、先輩の女子達に呼び出される日々。



イジメ、暴言は慣れたよ…



もう…



反抗なんてする気も起きない。






「黙ってないでなんとか言ったらどう?」



「ま、反抗しても殴るだけだけど♪」



意味ないじゃない…。



私は心の中で突っ込む。



「アンタ昨日、佐藤くん振ったらしいじゃん?」



「どのツラ下げて佐藤くんに媚び売ったのよ」



媚びなんか売ったつもりないし。



ただ、転校初日に声掛けられて



少し話しただけ。



ただ、それだけなのに…



なんで私がこんな目に合わなきゃいけないの?






「お前みたいな地味子が佐藤くんに媚び売ろうとすんじゃねーよ」



「身の程を知れ、バァーカ」



ドスッ



「うっ…」



お腹を蹴られ、少し体がバランスを崩す。



痛い……



でも、何も出来ない…。



早く、早く…



この場から去りたい…。



この学校から出たいよ…。






今までのイジメよりも



今回の学校はそれ以上に酷かった。



殴る蹴るはもう3日続けて



おかげで体は全身痣だらけ。



もう学校になんか行きたくなかった。




私は身を守るように体をうずくまる。






ドスッ



バシッ



痛い…



早く終わってっ………!



そう思っていた時だった。



「ねぇ、そんなとこでなにしてんの?」



見慣れない声、凛とした声に



誰もが振り向いた。