まぁ、シングルベッドが違う部屋にあるらしくでも知らずにダブルベッドの部屋で寝たら青はシングルベッドの方で寝てくれたぽい。



まぁ、当たり前だよね。
布団から出ると少し寒い空気に体が震える。
早く着替えちゃお。



お母さんが送ったという荷物に入っていた趣味の悪いピンクのフリフリがついたいかにも女の子らしいパジャマを脱ぎ捨ててジャージに着替える。



校舎内鬼ごっこか……危なそう。



着替えを終えてそう考えながら、部屋から出るといい匂いがしてそっちの方に行くと椅子に座って足を組んで優雅そうに新聞を読みながらコーヒーを飲んでる青がいた。
絵になるな……ホントにこいつは。ジャージだけど。




「……あっ、芹那ちゃん。ご飯食べちゃって」




新聞から目をあげて私に気付くとそう言って、目線をテーブルの上に向ける。




「……ん。いただきます」




芳ばしい香りを出しているパンと目玉がすごく綺麗な黄色の目玉焼きとサラダが置いてあった。
美味しそう……青が作ったのかな？




テーブルを挟んで青の前の椅子に座ってチラッと青を見ると新聞を読みながらコーヒーを飲んでいる青と目が合った。




「あっ、俺は作ってないから」




だよね。
だって……この人良くわかんないけどお坊ちゃんだしね。
新聞も普通の子は見なそうな場所見てるし。



「……今日、怪我しないでよ？」




新聞を読んでいた青から目を離してパンを食べていたら新聞に夢中だった青の声が聞こえて顔を上げると新聞を置いて真剣な顔で私を見ていた。




「……え、う……うん？」




怪我しないでって言われても昨日足捻ってるんだけどね。
まぁ、足捻るなんて良くあるからもう耐性ついたっぽくてすぐに治るけど。





「普通の鬼ごっこじゃ……ないから」