なんか、真っピンクの趣味の悪い個室に私と青が向き合ってる近くでそれを椅子に座って講師が見ているという変な……ね。



「……芹那ちゃ――」
「あ、あの!!これって……何のシチュエーションなんですかっ!?」



何かを言おうとした青の言葉を遮って、青から講師の方に目を向けて講師に問う。



「……これは、プロポーズの場面ですよMs.城崎」



プロポーズねぇ………………え!?



プロポーズでときめくってさ……それなりの期間がないと……ねぇ?
しかも、こんなのマナー講座でやる意味は何!?




「……芹那ちゃん」



「……!?」




講師の方を見たまま考えていたら顎を掴まれて顔は強制的に青の方を向かされていた。




こいつは……いちいち顔が近すぎ。
こいつ、絶対最大限の武器である美貌を使おうとしてやがる。
絶対、負けてやんない。




私の目を真っ直ぐに見つめてくる青の目をまっすぐに見つめ返す。
視界の端に映る講師の顔からして周りからどう見えてるかなんて知らないけど……私にとっては、勝負の火花しか見えてない。




「……ねぇ、芹那?俺たちの出会い覚えてる?」




「……は?」





そんなに、思い出っぽくしゃべる程昔には出会ってませんよ?
それに、出会いったって……駆け込んだ所が青の部屋で上半身裸の青がいただけだし……。