連れていくって……なんだ?
自分で歩くんだよね……ね?



「これ、授業だからしょうがないね芹那ちゃん」




「……うえっ!?」




青の服で視界がいっぱいだったはずが、いきなり……私の視界には天井と、青の顔が映っていた。
ねぇ……この浮遊感って、まさか……。




「……芹那ちゃん、腕を首に回してくれないと俺が歩けないよ?これも講師に見られてるから」




「……っ!!」




授業だからって……もう、青恐怖症になりそうなんですけど……。
そして、講師の先生の目が怖いから。
こんなの、講師して将来何の役に立つのか教えて下さい……。




「………………」



青の肩に置いていた手を青の首に手を回すといつもより、青の顔がすごく近くなって青が笑ったのがわかった。
なんで、笑ってんの……こいつ?




「Ms.城崎!!顔を上げて、Mr.杜川を見上げなさい!!それに、体に力を入れない!!」




この講師……厳しすぎでしょ。
でも、言う通りにしないとこの拷問が長くなる……。




視線を自分のおへその位置から上に上げて青の顔を見上げる。
下から見上げても綺麗な顔をしていた。
なんか、ムカつく。




青の顔を見上げてると青がチラッと私の方を見て少し驚いた顔をすると頬を少し赤く染めて目をすぐに逸らされた。





な、なんなの……?





「はい、オーケー!!さぁ、Mr.杜川の力を見せてもらいましょうか。男ならスマートにビシッと歩くものですからね」




「…………あ、はい……」





講師の先生にそう言われるといきなり、体が少し揺れ出す。
青が歩き出したのがわかった。