「……意外に、大胆だね……芹那ちゃん」
「……っ!?ちがっ!!」
近づいて来ていた青の胸板に頭から突っ込んでしまった。
そして、何故か青の手は私の腰に回されていた。
「……やっぱり、似合うと思ってたよ。それにして大正解だね……可愛いよ」
「……ッッ!!み、耳もとで喋んなっ、バカっ!!」
青の体を思いっきり押すけど、なんで離れないの……こいつ?
「まだ、ダメ……俺の腰に腕を回して?」
何言ってんの……こいつ?
何がダメなんだよ!!早く離せーっ!!
「もう、マナー講座始まってるから……講師からOKでないとずっとこのままだよ?俺は別にいいけどね」
マナー講座が始まってる!?
なにこれ……抱き合わないとOK出ないわけ?
こんなマナー、身につけても将来必要ないでしょ。
「……芹那ちゃん?」
だから……耳もとで囁くなっ!!
腰に手を回せばいいんでしょ!!
青の腰に手を回すと、細く見えるくせに案外筋肉質でビックリした。
「……Ms.城崎!!手はもう少し下です!!もっも、Mr.杜川に寄り添って!!Mr.杜川は完璧ですね!!」
「…………」
声が聞こえてきて隣を見ると先生らしき人がそこにはいた。
でも、この講師、下下って言ってるけど、これ以上……下に手をしたら青の腰じゃなくて、お尻に手が行くんですけど。
「芹那ちゃんのエッチ~」
「……っ!!黙れ、青」
「Ms.城崎!!ここです!!」
「……っ!?」
講師は勝手に私の手を掴み青の腰ギリギリ辺りに私の手を置く。
抱き合うときにいちいち手の位置なんか気にしないでしょ!!
「Mr.杜川、Ms.城崎OKです。では次の場所へMr.杜川連れて行ってくださいね」
「はい」