「あら、もうこんな時間!明日は、早起きだから芹那ちゃんはもう寝た方がいいわよ?あと、パパが車で学校まで送ってくれるから安心していいわよ」
ダメだ、この母親はもう喋る気がないらしい。
さっきまで、時間なんか気にせず騒いでいた癖にいきなり時計に目を向けていた。
もう、これは諦めるしかないのかな?
「……何時に起きればいいの?」
時計に目を向けているお母さんに聞くとお母さんは指を5本立てて私に見せる。
5時ってことか……早すぎじゃない?
まず、起きれるかな?
今が、23時だから……でも、六時間は寝れるんだ良かった。
「じゃあ、寝るわ。おやすみ」
「おやすみ、芹那。また明日な」
「おやすみ、芹那ちゃん。いい夢見るのよ」
軽く挨拶を済ませて二階に上がり自分の部屋に行く。
そっか、明日から寮ってことはこの会話も卒業するまで出来ないんだ……。
そう思うと何故か少しだけ寂しい気がした。
この部屋とも今日が最後か。
寮ってどんな部屋かな?一人部屋だと嬉しいんだけどな……。
制服を脱いでハンガーに掛けてさっき脱いだスウェットに着替え直す。
やっぱ、スウェットは落ち着くな……楽だし。
ベッドの前に行ってベッドに倒れ込むと静かに目を閉じて今日の出来事……まぁ、転校の話を思い出していた。
明日から、今まで通ってた学校には行けないんだ……。友達とも会えないのか。
新しいとこで友達出来るのかな?
こんな中途半端な時期に転校なんかして。
それより、転校のテストとか受けてないけどほんとに平気なのかな?
考えれば考えるほどいろんな問題が浮かんできてキリがなくてもう考えることを諦めた。
とりあえず、頑張ってみますか。
そう思うと一気に睡魔が私を襲ってきてさっきまで考えていたこと全て忘れて微睡みの中に身を委ねていた……。