「今日から長谷川君のパートナーになる白澤香苗(シラサワ カナエ)さんです」



空気の読まない会長がそういうと足音がして全員が顔を上げる。



「あらー、捨てられた可哀想な坊やは君ね。ふーん、顔は悪くないみたいね……」



「……」



これって青のお兄さんの趣味なのかな?
性格がドS女王様って感じの人が豹に向かって歩いていく。



「可哀想に私が拾ってあげましょうか?」



「触んなや」



鋭い目つきで香苗さんを睨みつける豹。
豹ってこんな顔出来たんだ。柊花の前では緩みっぱなしだったもんな顔。



「でも決まりは決まりよ?Vipがパートナーにいなきゃ君ここにすらいられないのよ?それでもいいの?」




「柊花とおれんのならこんなとこいる意味もない――っ!?」



「香苗さん豹のことお願いします。授業の時だけ」



「芹那ちゃん!?」


「……むがががががが!!」




普段は180cmもある豹の口なんか届かないけど運良く崩れ落ちてて口を塞ぐことができた。
そして私の言葉に驚くみんな。
まぁ、そりゃそうだよね。



「……豹、柊花を諦めんのはまだ早いよ。あんたこそそんなすぐに柊花のこと諦められちゃうの?」




豹の耳元で言うと豹の顔に怒りマークが出来てるそんな気がした。
豹は、私の手を力強く掴むと口から外した。
ぃ、痛い。痛すぎて顔を歪めた。