「ふはは、ここを通りたくば濃厚なチッスをするんだな、ガハハ」
「……」
「だって、芹那ちゃん?」
何言ってんのこの人。
チッスって……。
「お前らは額にキスしかしないという噂を聞いてるが私は許さんからな!」
まじで、あんた先生!?
周りから痛いほどの視線を浴びてるから早く中に入りたい。
「じゃあ、先生も望んでることだし芹那ちゃん許してね?」
「……は?」
「さぁ、リア充を見せつけてみろ!」
「……ちょ、あ、青?な、なに?」
私の後頭部に手を回し顔を近づけてくる青。
ま、まさか……ね?
「……いいじゃん、ディープの一つくらい見せつけてやろーよ?周りもやってはことだし」
「う、嘘でしょ?」
「本気だよ?ほら、黙って」
「……んっ!?!!」
黙ってと言った瞬間に青に口を塞がれた。
その瞬間周りからおぉーなんて言う歓声が聞こえてきたのは言うまでもない。
「……ふなへろっ(離れろっ)!!」
「……ってぇ…… 」
青の腹に肘鉄をくらわせると青の唇はやっと離れた。
ホントになんなのこいつ!
「芹那ちゃん真っ赤。可愛い」
――チュッ。
「……あーおーっ!!!!」
そう言ってリップ音を響かせて私の頬にキスを落とした。
ほんとなんなのこのキス魔!?
私がどんだけドキドキしてるかも知らないで!マジで殺す気かっ!
「さ、さすがリア充……もう通れっ!」
お前はもう黙れ……。
周りからは羨ましがる声が聞こえてきてため息が出る。
校舎内に入るとうるさい声が更にうるさくなっていた。
「しゅーかぁぁぁぁあーさっき来てた男誰なんやァァァ!?」
下駄箱で叫んでる豹がいた。