「いい感じに暗いですね〜」
「ねぇ、こんなとこで何する気なの」
いい感じに暗いって言うか薄暗くて気味が悪い。
腹黒王子に抱き上げられて揺られるまま考え事をしていたらいつの間にか外に出ていて今に至る。
「佐藤・城崎ペア、杜川・葉山ペアにはここで肝試しをしていただきます。それぞれのペアにとってきて頂きたいものは君たちの持ってる学園用スマホのマップに表示されますので安心してください。トラップや罠などはしっかり用意させていただいてますから頑張ってくださいね?」
嘘でしょ!?
私、暗いとこダメなのに……。
「大丈夫ですよ、懐中電灯渡しますから」
そーゆう問題じゃないって!!
「芹那さん、もう平気ですよね?離すの名残惜しいですが頑張ってくださいね?」
意味の分からない事を言いながら私の足はやっと地面についた。
てか、無理……。
なんで怖いのかは知らないけど小さいときから暗い所には一人ではいられなかった。
小刻みに震え出す自分の体を腕で包み込む。
「……芹那ちゃん、大丈夫?も、桃ちゃん!芹那ちゃん一人にしたらダメだからね」
「わかったよ、憂。憂も青から離れたらダメだよ?青、ボーっとして憂に何かあったら俺怒るからな?」
「わかってる。桃也こそ芹那ちゃんから離れないで……絶対」