「……バカ、あんな無茶して……」
「柊花に、傷を一つでも付けたくないんや。柊花を守れるんやったら、俺はどんな無茶なことだってするんや。柊花、ごめんな……怖い思いさせて悪かった」
「……バカ……」
そう言って涙を目に浮かべた柊花は、豹に抱きついて泣いていた。
豹……いいやつじゃん。
少し、見直したかも。
「……っう…………」
頭がまた痛くなると私は自然と意識を手放していた。
意識を手放す時に誰かが……必死に私を呼んでいた気がする。
痛い……痛い。
これは、なんの痛み?
どこも怪我してないのに……。
真っ暗な世界の中に一人の小さな男の子がいて……小さく唇を動かしていた……。
"思い出しちゃ、ダメ。思い出さないで……"
と。