「……柊花っ!!!」






「……芹那……」






階段の手前で止まっていて……安心した。
間に合ったんだ……。






「…………っ!?柊花っ――――!!」





「……え……」






今まで視界に入っていなかった女子が柊花の視界から見えない位置から柊花を階段の方へと押すと柊花の体は傾いていく。





女子が見えた瞬間に走り出して手を伸ばして柊花の手を掴もうと伸ばすけど、指先が触れただけで……柊花の手が掴めなかった。






「……柊花っ――――!!!!……え?」






真っ逆さまに落ちていく柊花をそのまんま飛び込んで助けようとしたら、頭がいきなり痛くなって……視界が薄れてたけど、私の横を何かが猛スピードで通り過ぎて行ったのがわかった。







「しゅーかーあああああ!!」




よく知った大きな声が柊花の名前を呼んで落下してる途中の柊花を包み込んだのが、霞んだ視界でもわかった。





「…………っう……」




柊花が落ちた光景を見てから、頭がズキンズキンと割るように痛み出した。
なんで……。





――ボフンッ!




階段から落下したにしては何故か柔らかい音が響いて頭に手を当てたまま下に目を向けると、巨大なマットがあった。
その周りには黒服でグラサンの男の人たちが大勢いた。





「……芹那ちゃん!?」





下から上がって来た青は私を見て驚いたような声を上げる。
なんだろ……前にこの声聞いたことある気がする。






「……っう……っっ……」





何かを思い出そうとすると頭が痛くなる……なんなの?




「……芹那……ちゃん?大丈夫……豹と柊花は、大丈夫だから。落ち着いて、ね」




汗の匂いがする青が私を抱きしめて耳元でそう言うと私の体は急に持ち上げられる、青によって。






「安心するためには、見た方がいいでしょ?」





そう言って、私をお姫様だっこしたまま階段を下りて柊花と豹のいるマットの所まで行く