適当に返事をしながら移りゆく外の景色に目を向けると高速に乗っていて面白いものは何もなくて少しがっかりした。
「……ねぇ、お父さん……私、友達出来るかな?」
「……芹那ならできるよ。お前は優しい子だから。俺たちの愛しい一人だけの愛娘だしね!それに、芹那はママに似て美人さんだし!」
なんか、私の聞いた質問と回答が全然合わない気がするのは私だけかな?
所々、友達作りに必要ない事ばっかだし。
「……そっか、ありがと」
静かに瞼を閉じるとそれ以降、音楽と車が風を切って走る音以外は聞こえてこなくなった。
多分、お父さんもさみしいと思ってくれてるのかもね。頑張って喋ってくれてたんだろうな。
少し瞼を開けて隣をチラッと見るといつも通り安全運転を一生懸命してくれるお父さんの顔は涙を堪えていた。
しょうがない……嫌だけど頑張りますか。寂しがり屋の両親の期待に応えられるように……。
そう言って再び目を閉じると今度は睡魔が自然と私を微睡みの中に連れて行ってくれた。
微睡みの中には笑顔の両親と私が楽しそうにしている姿が見えて胸の中にあった寂しさが少し和らいでいくようなそんな気分だった。