「大丈夫、芹那ちゃんは必ず守るから……今度こそ」
最後が小さくて聞こえなかったけどそう言ったあと手を強くギュッと握られた。
なんだろ……この変な感じ。
「「「杜川くんは、私の物よ!!」」」
「「「城崎さんは、俺のだ!!」」」
人の手が伸びてきて瞬間に青が走り出して私もそれに合わせて足を踏み出す。
青のが速いし、脚が長くて私の脚はいつもよりも幅がでかかった。
昨日の捻挫で、青に迷惑はかけたくない……。
頑張ろ……。
「Sクラスだ!!こっちにSクラスのやついたぞっ!!」
呼ぶなっ!!
てか、なんでSってわかんの?
「他のクラスは、俺らSの顔を全部覚えてるからだよ」
「そうなん……人の考えてることを読むなって」
私、そんなにわかりやすいかな?
なんで、青はいつもわかるんだろ。
「芹那ちゃん、足平気?そろそろ撒かないとこんなに引き連れてたらもっと増えるし」
「大丈夫」
後ろに目を向けるとすごい人の数がついてきていた。
廊下は普通走っちゃいけないところなのにっ!!
所々から、Sクラスの生徒の名前を叫ぶ声が良く聞こえる。
他の皆……大丈夫かな?
「……てか、顔バレてるなら隠せばいいんじゃ……」
でも、布とか帽子とかだと更に目立つのか……うーん。
難しすぎる……。
「……芹那ちゃん、それだ」
「え?」
ぼそっと呟いた声に返事が返ってきたと思ったら、いきなり曲がり角で腕を引っ張られる。