すごい……親バカだ。
でも、息子巻き込みたくないと思うならなんでこのイベント作ったんだよ。
『……校外にいる生徒は直ちに校内にお入り下さい。繰り返します、校外にいる生徒は直ちに校内にお入り下さい』
所々に置いてある大きなスピーカーから静かな女性の声が響く。
「そろそろ、始まるみたい……。芹那ちゃん、通るためだから我慢してね」
「……うっ……」
目の前には校内に入るための玄関と……キスをし合っている男女を見て許可を出していく先生。
イベントの時もやるんだ……これ。
「……杜川、城崎ペアだな。さぁ、入りたいならヤれ」
これ、先生の言う言葉じゃないよ。
この人たち……ちゃんと教員免許持ってんの?
「…………ぐえっ……」
隣からいきなり手が伸びてきて私の頭を引き寄せると額に柔らかくて暖かい感触が触れた。
「…………っ!!」
待って、長いんだけど……。
青の息がかかってるっ!!
「よし、通っていいぞ!!」
「……芹那ちゃん、真っ赤だね」
「誰のせいだと……っ!!」
「ほら、早く行かないと遅れちゃうから」
青に手を引かれるまま校舎内に入る。