「そう、A~FがSクラスに鬱憤を晴らすための行事でもあって、VIPの力が試される行事かな?」



VIPのパートナーなんか……辞めたい。
この目の前の呑気な男にVIPな力なんて絶対に無い。
断言できる。



「……Sクラスに入れる条件が足りないですよ、杜川くん」



「……琉宇先輩!?」




いきなり声が聞こえて後ろを振り返る前に首に何かが巻き付いてきた。
そして、頬にはフサフサしたものが当たってるし。




「……会長、早く芹那ちゃんから離れてくれない?」




青の目線は私の後ろにいる人に向いていて、青の眉間の皺がだんだん深くなっていた。




「Sクラスに入るには容姿も入ってるんですよ。容姿端麗では無ければ、他が優れていてもSクラスにはなれません」




なに、その差別。
この学園、最低だ。
その最低なSクラスのパートナーに選ばれた容姿端麗じゃない私はなんなの?




「……で、2年Sクラスの男子人気ランキングで1位が3人いるのわかりますか?」




そう耳元で腹黒王子に囁かれてなんとなくわかった気がする。
目の前で眉間に皺を寄せてる男に目を向ける。




「そうです。芹那さんのパートナーである杜川くん、葉山さんのパートナーである佐藤くん、原田さんのパートナーである長谷川くんの3人です」



やっぱり……綺麗で整いすぎた顔してるしな、あの3人。豹は認めたくないけど。





「女子はもちろん、葉山さんと原田さんと貴女ですけどね」





は!?
憂と柊花はわかるけど……なんで、私?




「転校してきてそんなに経ってないのにすごいことですよ、芹那さん。まぁ、そんな順位があるわけでして真っ先に狙われるのはあなたたち6人なんですよ。姫たちは、憧れである1位の3人のパートナーである葉山さん、原田さん、芹那さんを狙って、男は憧れである1位の女子のパートナーである佐藤くん、長谷川くん、杜川くんを狙ってね」




「…………」





考えただけで怖いんだけど、それ。