─王様だーれだ

「あっ俺だ。」

寺田さんは一瞬だけあたしを
見た後、何かを決心したかの
ような顔で指示を出した。

「ちょっと名前で
言っちゃっていい?

奈美ちゃんと心ちゃんは
二人で話してきてください。」

周りはざわざわとしていたけど
痛いぐらいに優しさが伝わって…

無駄にしたくない。

あたしは全ての思いを
話すことにした。