そして看護師さんは俺に背
中を向けると歩き始めた。
何となく着いてきてと言っ
てるような気がして無言の
まま背中を追った。

しはらく歩き、ある扉の前
で立ち止まるとそっと開け
た。そこにいたのはもう動
かないえり。まさかこんな
形で抱きしめるなんて思っ
てなかったな…

顔にかかった布を取ると、
今まで一緒にいた時と同じ
笑顔があった。眠っている
としか思えないほどきれい
だ。