それがすごくうれしくて
地味で目立たなかったあたしも
咲たちといるうちに
おしゃれするのが楽しいって
思ったり、とにかく今までとは
違うあたしになっていった。

ある日のこと。

咲と二人で話していたら、

「心は好きな人いる?」

と聞いてきた。

普通の女子中生なら
恋愛の話はよくするのかも
しれないけど、あたしは
恋をしたことがなかった。

「いないよ。」

そう返事をすると咲は
ほっとしたように笑顔を見せた。

「よかった。実はあたし
クラスの新井くんが好きなの。」

彼は咲のような派手な感じ
ではなくていつも外を眺めてる
ような目立たない人だった。
けど、陰ながら努力をして
いるのだろう。
勉強は学年で一番出来た。