「君、正気になりなさい」

救急車から出てきた人達は
冷静な顔で俺に言う。少し
落ち着き状況を判断した後

「俺はえりの彼氏です」

と一言だけ話し救急車に乗
りこんだ。

どれだけ祈ったことだろう
神様に‘大切な人’を返し
てくださいと。

幾度となくえりの名を呼び
ながら―