「ああ〜…行っちゃった。」

後悔しながらも彼の読んで
いた小説を手にとり一字、
一字、意味を感じながら目で
追っていた。

話がきれているページに
はさまれた二枚の紙。
そこに書かれているのは
この本が愛を求める人が
書いているということ。

「何これ…すげぇじゃん!?」

こんなに興味をもった小説
は初めて。
とにかく私が思う愛を表現
した。
続きが読めるまでの三週間
は涙の彼と小説の展開の
事で頭をいっぱいにしながら
バイトのシフトを週6に
増やし働いた。