当日、朝からはしゃいでた
せいか気付けば外は真っ暗

「観覧車乗ろっか?」

彼は街にある一番大きな
観覧車に連れていって
くれた。
そこから見た景色が目に
焼き付いて離れなくなるぐ
らいキレイだからついつい
話もしないまま頂上に来て
しまった。

「ごめん…」

私が謝ろうと振りかえると
彼はいきなり頬に手をあて
てきた。

(この雰囲気って×〆‥)

頭が混乱してまともに顔が
見れない。ふと、手に視線
を向ける。すると左手の
薬指には‘Precious’と
刻まれたリングがはめられ
ていた。

「ねぇ、
そのリングって…」

気づいていなかったのか
すごく慌てている。

「昨日、街のアクセ
ショップに行ったんだ。
指輪見てたら隣のカップル
がペアリング買ってたんだ
よね…」

こんな事を言っても彼は
言い訳もせず黙って下を
向いているので私は立ち上
がり怒った。