―校門

二人は待ちくたびれていた。

「俺ちょっと見てくるわ!」

亮平が行こうとすると、
杏子が腕をつかんだ。

「行かないで…あたし、
亮平が好きなの!」

小学校の頃から一緒にいた
三人。杏子はいつからか、
亮平が好きになってた。

「…杏子、ごめんな。俺さ
ずっと麻美の事が好きだっ
たんだ。」

気まずい雰囲気の中、亮平
は本当の気持ちを伝えて少し
も振り向かずつかまれた腕
を払い走り去った。杏子は
それ以上何も言えずその場
で泣き崩れてしまった。