(あの頃はこんな事になる
なんて誰も思ってなかった)

長い長い入学式も無事に終
わり期待と不安を胸に自分
のクラス1年2組へ向かう

教室には見慣れない人で、
あふれかえっていた。落ち
つこうと出席番号のシール
が貼られた席についたら、
前にはよく知っている後ろ
姿があった。いてもたって
もいられず思い切って声を
かけた。

「杏…子?」

その人は振り向くと一瞬、
驚きすぐに笑顔に変わった。