乱闘の途中で負けとわかり帰ってしまったのかもしれない。


もしかして、あたしは万結に裏切られたのだろうか?


メンバーを倉庫へ連れて行きながら、そんな考えが浮かんでくる。


一緒に中庭でご飯を食べた時、あたしはうっかり万結に今日の乱闘の事を伝えてしまった。


思えばあの時、万結の反応はいつもと違ったような気がする。


「未玲お姉ちゃんボーッとしてどうしたの?」


ハッと我に返ると、空李君がけが人の手当てをしているのが目に入った。


「あ、ごめん」


「その人も早く手当てしなきゃね」


「うん」