顔面をコンクリートで強打した男はその後ピクリとも動かず、あたしは同じような方法で2人を倒し、乱闘は終わった。


血生臭い匂いが周囲に立ちこめていて、《鬼龍》のメンバーもずいぶんとやられてしまっている。


だけど、《ホワイトタイガー》のメンバーは全滅だった。


「お前ら、よくやった!」


陸真さんが笑顔を浮かべる。


「ケガをした奴らを倉庫に運んで手当してやれ!」


そう指示すると、残っている元気なメンバーが他のメンバーに手を貸し、動き出す。


あたしも近くにいたメンバーに手を貸し立ち上がらせた時、ふと万結の事が気になって周囲を見回した。


万結はどこにもいない……。